“暴れん坊将軍”もここで遊んだ?! 徳川家が作り上げた遊ぶための庭園

“暴れん坊将軍”もここで遊んだ?! 徳川家が作り上げた遊ぶための庭園

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ひとりで海外まで飛んじゃうくらい一人旅が大好きな西門です。

江戸時代、徳川家の庭園として造営された「浜離宮恩賜庭園」は、東京を代表する大名庭園です。約25万平米という広大な敷地には、潮入の池と2つの鴨場を有することで知られています。

特別名勝及び特別史跡に指定された貴重な文化財として、数多くの見どころがあります。都心という好立地にも恵まれ、国内外から多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。

今回は、そんな浜離宮恩賜庭園の魅力について紹介します。

浜離宮恩賜庭園

浜離宮恩賜庭園、門、木、空
浜離宮恩賜庭園の入口。お正月明けのため、門松がありました!

浜離宮恩賜庭園は、大きな潮入りの池と、都内では唯一の2つの鴨場を持つ東京を代表する大名庭園です。

潮入りの池は、海辺の庭園で用いられた様式で、潮の満ち干により表情を変える趣深い景観を見せます。海水を引き入れているため、池では海水魚が泳ぐ姿も見られます。

徳川将軍家の鷹狩場として始まったこの地は、四代将軍家綱の弟・松平綱重が初めて屋敷を建てました。その後、綱重の子・綱豊(家宣)が六代将軍となり、将軍家の別邸「浜御殿」として整備。十一代将軍家斉の時代に、現在とほぼ同じ姿の庭園が完成しています。

特筆すべきは、当時の庭園の多くが単なる回遊式であったのに対し、本庭園は将軍たちがアクティブに遊ぶためにデザインされた点です。

明治維新後は皇室の離宮となり、「浜離宮」と改称。昭和20年(1945年)に東京都に下賜され、翌年から一般公開されています。昭和27年(1952年)には国の特別名勝及び特別史跡に指定されました。


浜離宮恩賜庭園へのアクセス

浜離宮恩賜庭園は、複数のアクセス方法があります。広大な敷地を有する庭園のため、訪れたいエリアに応じて最寄り駅を選ぶことをおすすめします。

1.大手門口

<築地市場駅から>
都営地下鉄大江戸線「築地市場」駅 徒歩7分

<汐留駅から>
都営地下鉄大江戸線・ゆりかもめ「汐留」駅 徒歩7分

2.中の御門口

<汐留駅から>
都営地下鉄大江戸線「汐留」駅 徒歩5分

<浜松町駅から>
JR「浜松町」駅 徒歩15分


代々の将軍たちも遊んだ?!2つの「鴨場」

浜離宮恩賜庭園、鴨場、木、池
浜離宮恩賜庭園にある新銭座鴨場

広大な敷地を誇る浜離宮恩賜庭園には、大きな潮入りの池をはじめ、数多くの見どころがあります。

園内には、4つの茶屋(現在は「中島の御茶屋」のみ営業)や、将軍の船着き場であった「将軍お上がり場」が残されています。また、六代将軍家宣の大改修時に植えられたとされる「三百年の松」や、4〜5mを超える大きなツバキの木など、歴史を感じる景観が広がっています。

特筆すべきは、都内唯一の「鴨場」です。代々の将軍たちが鴨猟を楽しんだこの施設は、江戸時代の姿をそのまま今に伝えています。それでは、この貴重な鴨場についてご紹介しましょう。

1.「鴨場」にあるさまざまな仕組み

浜離宮恩賜庭園、鴨場、小覗、木、空
新銭座鴨場に設けられた仕組み「小覗(このぞき)」

庚申堂鴨場と新銭座鴨場の2つの「鴨場」は、将軍たちの鴨猟の様子を今に伝える貴重な施設です。鴨場は、池の周囲を3mほどの土手で囲み、常緑樹や竹笹を配して、水鳥が安心して休息できる環境を巧みに作り出しています。

2つの鴨場は規模こそ異なりますが、水鳥の習性を活かした精巧な仕組みは共通しており、現在もその一部を見ることができます。

1.元溜り(もとだまり)

・鴨などの野生の水鳥が集まる池
・冬季には、飼育されたアヒルに誘われて鴨などの水鳥が飛来

2.大覗(おおのぞき)

・元溜りの観察用に設けられた小屋
・常緑樹や竹笹で周囲を覆い、鳥を警戒させない工夫

3.引堀(ひきほり)

・池から八方に延びる堀

4.小覗(このぞき)

・引堀の端に設置された観察場所
・囮のアヒルを操る合図や給餌を行う施設

これらの設備は、水鳥の習性を深く理解した上で、自然の営みを庭園内に再現するよう綿密に設計されています。

2.「鴨場」を使った鴨猟のやり方

浜離宮恩賜庭園、鴨場、大覗、木、空
庚申堂鴨場に設けられた仕組み「大覗(おおのぞき)」

江戸時代の鴨猟は、鷹匠による鷹を使った捕獲が主流でした。その手順を詳しくご紹介します。

①大覗から水鳥の様子を確認する

元溜りの周囲に設けられた大覗から、水鳥の集まり具合や風向きを確認し、狩を行う引堀を選定

②小覗で板木を鳴らす

囮のアヒルに餌を与える合図として板木を使用

③鴨が引堀に入る

囮のアヒルに誘われ、水鳥が引堀へ移動

④小覗から鷹匠に配置につく合図を送る

小覗から手信号で、待機している鷹匠に合図

⑤鷹匠の登場

鷹匠が引堀を挟んで配置につき、水鳥が飛び立つ

⑥鷹で鴨をとらえる

飛び立った水鳥を鷹で捕獲

明治期に入ると、鷹に代わって「さで網」による捕獲方法が採用されました。
それにしても、なんとも手の込んだ猟のやり方だったのですね。当時の将軍たちは、庭園の中に自然を上手く再現して、野生の鴨を狩るという贅沢な遊びを楽しんでいたのでしょう。


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草木に囲まれた鴨場の大覗に隠れ、当時の将軍のように生き物を観察しよう!


浜離宮恩賜庭園の江戸時代から残された2つの鴨場をチェックしてみて

徳川家の庭園として江戸時代から続く浜離宮恩賜庭園。
庭園内には江戸時代の面影を残したスポットが数多く残されています。

そのなかでも鴨場は、将軍たちが遊んでいた様子を今に伝える特別な場所です。
ぜひ実際に訪れて、将軍たちが鴨猟を楽しんだ場所で、歴史の息吹を感じてみてください。

浜離宮恩賜庭園、庭園、木、空
浜離宮恩賜庭園の入口から見た庭園の様子。この日は、お正月のイベントで縁台や半纏もありました。

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おわり

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