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目次
ごきげんよう!
牛乳大好きソロトリライター、ヤマダイクコです。
脂肪が気になるお年頃ですが、乳脂肪分高めの牛乳が好き。
どんとこい4%!
※厚生労働省令で定められた「牛乳」の成分規格は乳脂肪分3.0%以上。スーパーでは3.5〜3.7%の牛乳をよく見ます。
さて、今回のテーマは「ご当地牛乳」、主に欧米で味わった牛乳の話です。
牛乳は旅のメインというよりはオプション、旅先で見つけたらラッキー!飲めてよかったね!という感じです。
できることなら、酪農が盛んな土地の牛乳が飲みたい。
現地の人たちの「いつもの牛乳」が飲みたい。
牛乳が苦手な方、飲めない方は、好きな飲み物(旅先でよく飲むもの)に置き換えて読むとイメージしやすいかと思います。
ジュースでもよし、炭酸飲料でもよし、ビールでもワインでも水道水でもよし。
【重要】牧場への無断侵入、厳禁!
牧場(畜舎、放牧地、牧草地等)には、許可なく入ってはいけません。
牧場では、家畜伝染病の予防、衛生管理、安全管理等、細心の注意を払って動物を飼育しています。
例え悪意がなくても、部外者が口蹄疫(こうていえき)などの家畜伝染病のウイルスを持ち込む可能性があります。
牛などの家畜たちの命を危険にさらし、農家の経営や生活に大損害を与えます。
牛がかわいいと思うなら、勝手に近づいちゃダメ!
牧場は動物園や観光地ではありません!
初めての海外旅行と牛乳
学生時代、授業中にアメリカの牛乳事情を聞きました。
日本と比べて、アメリカの牛乳の生産量や消費量は圧倒的に多い。
「ハーフ&ハーフ」という牛乳がある。
その名の通り、2種類の牛乳を半々でブレンドしたものである。
私は「どんな味なのだろう?いつか飲んでみたい!」とワクワクしました。
そして1999年、ニューヨーク旅行中にデリで「Half-and-Half Milk」を発見、困惑しました。
何と何を半々でブレンドしたんだっけ?
最重要事項を忘れるという痛恨のミス。
とりあえず購入し、ホテルに戻りました。
目の前のグラスにはハーフ&ハーフという名の白い高密度の液体。
「果たしてこれは飲み物か?」
混乱する脳内に、中学時代の理科の先生の言葉が響きました。
「(実験は)自分の頭で考えて、自分の手で試しなさい」
そうだ!自分の舌で確かめ、自分の体に受け入れよ!
己を鼓舞しつつ試飲。
ゴクッと飲み下すと、口の中にクリームの風味が広がりました。
濃い!
アメリカ人はこんなのを飲んでいるのか!
※最近知りましたが、コーヒーのクリームや料理用に使うことが多いようです。
今度は友人の言葉を思い出しました。
「アボカドっておいしいけど、うっかり食べすぎるとコクにやられるのよね」
「コクにやられる」という感覚を完全に理解しました。
世界は未知の味に満ちている。
それ以来、私は旅先で牛乳を試すようになりました。
初めての北海道旅行と牛乳
北海道は日本を代表する農業&酪農王国。
北海道産の食料には毎日お世話になっているので、北海道に足を向けて寝られません。
小学生の頃に北海道で姉妹町交流会に参加、同年代の子の家にホームステイさせてもらったことがあります。
その家のお母さんが、大きな鍋に大きなボトルから牛乳を惜しみなく注いでいるのを見てびっくりしました。
なんて豪快なんだ!
地場産(じばさん)の新鮮な牛乳がたっぷり入ったシチューのおいしかったこと。
「北海道の牛乳はおいしい!」と刷り込まれました。
他にも、初めての飛行機、パウダースノー、完璧な暖房ゆえ室内では薄着の人々、参加者同士のいさかいなど、ありとあらゆるものに刺激を受けてたくましく成長しました。
さらに福井県風のイントネーションを身につけ、意気揚々と帰宅。
「北海道に行ったのになんで?!」と家族にも友達にも驚かれました。
※仲良くしていた子の影響。地元のイントネーションに戻るのに1週間はかかりました。
北海道の農業については、現地で7年間農業に従事していた漫画家・荒川弘の「百姓貴族」(新書館)をご参照ください。
百姓貴族いんふぉ(新書館、試し読みあり)
アニメ『百姓貴族』1頭目『牛乳』
2024年秋にアニメの第2期が放送されるそうです。
ホテルの朝食の牛乳
旅先で気軽に牛乳の味見ができるのが、ホテルの朝食。
ビュッフェ式なら、グラスに好きな量を取ることができます。
産地の表示がなくても、現地で買える牛乳ということで問題なし。
(多分、産地の表示があっても読めない。)
コンチネンタル式の朝食でも、ホテルによってメニューが微妙に違います。
運が良ければ日替わりの料理や現地の名物が味わえるかも。
ある朝、宿泊客の1人が深皿にコーンフレークをガサガサとよそっていました。
その上に、スティックシュガーをサラサラ〜サラサラ〜と2〜3本分振りかける(かけすぎでは?)。
バナナの皮を半分残してむき、大きめのスプーンで薄切りにしながらコーンフレークの上に落とす。
最後に、ピッチャーの牛乳をたっぷりと注ぐ。
優雅に皿を運んで着席、さっきのスプーンでもりもり食べる。
映画「巴里のアメリカ人」の冒頭のジーン・ケリーのように、流れるような、一切の無駄のない動きが見事でした。
コーンフレークを食べる時はその人の真似をしています(ただし砂糖はあんなにかけない)。
所変わればミルク変わる
パリのスーパーの棚(冷蔵設備なし)に1リットル×6本パックが大量に積んでありました。
ここはミネラルウォーター売り場か。
日本にも「常温保存可能品」と表示された牛乳(ロングライフ牛乳)がありますが、常温保存の必要性に対する熱量が違う。
フランスでは牛乳が生活必需品なのでしょう。
ロンドンの写真、牛乳のボトルには乳脂肪分4%未満と表示されています。
小さな粒状のバターができた時の牛乳は、もしかするとホモジナイズしていない(ノンホモ)牛乳だったのかもしれません。
※日本では、ほとんどの牛乳がホモジナイズ(生乳中の脂肪球を細かい粒子にする工程、均質化)されています。
スウェーデンやノルウェーの野外博物館では、伝統的な木造家屋や家畜を見ました。
スイスでは、のんびり草をはむ牛と、カウベルのカロンカロンという音が印象に残っています。
ヨーロッパの酪農の歴史を肌で感じ、牛乳の味を舌で確かめました。
楽しくて、面白くて、おいしい。
ロンドン風ミルクティー、おかわり!
乳牛といえば白黒の模様のホルスタイン種が有名ですが、他にも様々な品種の牛がいます。
乳質のよいジャージー種は、バターなどの原料乳の生産のため世界中で飼育されています。
もともと、英国王室用のミルクのために品種改良された牛で、その血統は約600年守り継がれているのだとか。
日本ではプチ贅沢的な価格帯かもしれませんが、王侯貴族でなくとも味わえるのだからありがたい。
というわけで、近所のスーパーでジャージー種の牛乳(国産)を購入。
乳脂肪分4.2%以上、運良く3%値引きシール付き。
ペットボトルの硬水と紅茶(ティーバッグ)を使って「ロンドンのホテルの水道水で適当にいれた風ミルクティー」を作りましょう。
1.マグカップにティーバッグを入れ、沸騰させた硬水を注ぎ、濃いめに抽出。
カップの中の濁った水色(すいしょく)を見ると、懐かしさで胸がいっぱいになります。
2.ティーバッグを取り除き、適当に牛乳を注ぎます。
砂糖はお好みでどうぞ。
抽出中にうっかり放置した驚きの濃さの紅茶も、硬水とコクのある牛乳のおかげでまろやかな味わいに。
※硬水に含まれるミネラルが茶葉に含まれるタンニン(渋み成分)と結合するため、渋味を抑えたり水色を濁らせたりします。ちなみに、イギリスのすべての地域が硬水というわけではありません。
これよ、この色、この味。
ああ、ロンドンが懐かしい。
ホテルの部屋に冷蔵庫がなかったから、一番冷える出窓に牛乳のボトルを置いたっけ。
他の部屋の出窓にも牛乳のボトルが置いてあるのが見えたっけ(奇遇ですな)。
地下鉄のホームには、2パイントの牛乳のボトルをラッパ飲みしているバックパッカーがいたっけ。
※2パイント≒1,136ml
旅の記憶とともに味わうミルクティーは格別。
茶菓子も進む。
※おすすめの茶菓子は、ショートブレッド、ヴィクトリア・サンドイッチ・ケーキ等のイギリス菓子。スコーンにつけるクロテッドクリームやジャムはケチケチせぬこと。
それではごきげんよう、よい旅を!
※日本の牛乳に関する情報は以下のサイトを参考にしました。
一般社団法人日本乳業協会 https://nyukyou.jp/
一般社団法人Jミルク https://www.j-milk.jp/
前回のお話はこちら↓