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目次
ごきげんよう!
寄り道大好きソロトリライター、ヤマダイクコです。
そこに道があるから!
そこに坂があるから!
そこに町があるから!
好奇心の赴くままに、ちょっと寄り道してみたい。
人生回り道。
さて今回は、2019年7月のスイス旅行中に隣国リヒテンシュタインの首都ファドゥーツに行った話です。
ファドゥーツ滞在、約2時間。
名付けて「ミッション・イン・リヒテンシュタイン」!
3つのミッションをクリアせよ!
※指令を下すのは私、指令を受けるのも私。某映画シリーズとは一切関係はなく、アクションシーンもありません。
内陸国 of 内陸国
海に面する国への旅が続いたので、内陸国に行きたくなりました。
私がイメージする内陸国といえば、5つの国に囲まれた永世中立国スイス。
スイス、あわよくば隣国リヒテンシュタインにも行きたい。
なぜならリヒテンシュタインは世界でたった2か国しかない「二重内陸国」。
海岸に行くのに最低2回は国境を超えなければならない、スーパー内陸国なのです!
外務省のサイトによると面積は約160㎢(小豆島にほぼ相当)。
地図で小豆島を見ても海に囲まれていてピンとこなかったので、東京都内に当てはめてみました。
練馬区、中野区、杉並区、世田谷区の面積の合計にほぼ相当するようです!
※東京都のサイト(都内区市町村マップ)より算出、4区の面積の合計は約156㎢。
なるほど……?
いつの間にやら入国
スイスからリヒテンシュタインに行く場合、出入国手続きや入国審査は不要。
午前7時頃にスイスのチューリッヒのホテルを出発、国鉄に乗りサルガンス駅で下車、リヒテンシュタイン行のバスに乗りました。
実は土地鑑(とちかん)がない場所でバスに乗るのは苦手。
ついでに地名を覚えるのも苦手なので、文字は「Vaduz(ファドゥーツ)」の頭3文字「Vas」だけを覚え、頭の中で「ファ、ファ、ファ……」と唱えました。
そしてすぐに飽き、車窓の景色をぼんやり眺めているとバスが止まりました。
えっ、着いたの?
午前9時頃、ファドゥーツに到着。
とりあえず観光案内所(Liechtenstein Center)に行きました。
無料の観光マップをゲット!
当時のファドゥーツの観光マップはフルカラーの絵地図。
一つ一つの建物がイラストで立体的に描かれています。
バス停を中心に半径500mくらいに見どころが集まっているので、徒歩で楽しめそう。
いよいよ、ミッションにチャレンジです!
M1:押印せよ!
その昔、リヒテンシュタインという国に行くと、パスポートに入国記念スタンプを押してもらえると聞いたことがありました。
あの話は本当なのか、都市伝説なのか。
観光案内所の窓口でドキドキしながらパスポートと料金を手渡しました。
スタッフがスタンプを押し、「OK?」と聞きました。
印影がブレていました。
OKではない。
果たしてこれは許容範囲か、西暦が読めないのはどうかと、ついでに王冠も、ヤバい、なんか面白いことになった、こんなに遠くまで来て、ネタにはなるけれども、ちょっと待てこれは有料、というかこれ私のパスポート、仮にNOと言ったらどうなる、押し直してもらうには追加料金がかかるのか、しまった、質問しようにも英語で話すのが面倒くさい、妥協すべきか、等々。
OKしかねていたら、色々察してくれたのか、待ちくたびれたのか、もう一度押してくれました。
くっきりと美しい印影。
スタッフ会心の出来!
「OK?」「Thank you!」
今度は即答、お互いに満面の笑みでした。
M2:投函せよ!
私は旅先から絵はがきを送るのが好きです。
自分(自宅)にも送ります。
旅先のポストに投函して自宅に届くまで、どのくらいの時間がかかるのかを知りたい。
現地の絵はがきと消印付きの切手がほしい。
切手を購入する時のスリルを味わいたい。
※ガイドブック記載の郵便料金を参考にお金を準備しても、窓口で違う金額を言われることがしばしばあります(まさかの値上げ)。
リヒテンシュタインはハイセンスなデザインと印刷技術の高さを誇る切手が有名な国。
切手博物館(入館無料)に行きました。
たくさんの切手という名の芸術品を見てから、ミュージアムショップで記念切手を購入。
観光案内所で購入した絵はがきに宛先等を記入、記念切手を貼り、館内のポストに投函。
自分宛の絵はがきには、投函した場所や日付、現地の感想等を書きます。
いつ届くかわからない、旅先の自分からのプレゼント。
娑婆(しゃば)に戻って荒みかけた心を、旅先から届いた絵はがきが優しく癒してくれます。
「旅行、夢じゃなかった!」
なお、自分宛の絵はがきには、黒歴史になりそうな内容(ポエム等)を書かぬよう細心の注意を払っています。
うっかり読み返すとライフが削られる。
M3:登城せよ!
実は前日、軽めのぎっくり腰になりました。
ガラスの腰、無理は禁物。
しかし、遠路はるばるファドゥーツまで来たからには、町の高台にあるファドゥーツ城まで歩いてみたい。
※登城(とじょう):城に参上すること。君主のリヒテンシュタイン公が住んでいるので、城内には入れません。
旅先で、高いところに登りたくなる欲望を抑えることなどできない。
深く考えずに登り始め、「なぜ登ろうと思った!」と後悔するところまでがセットです。
なかなかの勾配を汗だくで登りましたが、見えたのは城の裏側でした。
青空が広がり、緑に囲まれた城が美しく、ひんやりとした空気が心地よい。
来てよかった。
※喉元過ぎれば熱さを忘れる。
ところで、もし私がファドゥーツ城を攻める軍隊の歩兵で(18~19世紀頃を想定)、重い装備で登った先にこの城があったら、確実に心が折れます。
表側は急斜面+城壁、どちらかというと敵は裏側から攻めやすいでしょうから、堅牢な城壁を築いたのだろうと想像しました。
毎日お肉をたらふく食べさせてくれる、気前の良い上官の命令じゃないと城攻めできない。
いや、お肉食べても無理。
難攻不落すぎる。
お肉食べて、脱走する。
ミッション・コンプリート!
午前11時頃、全てのミッションをクリア!
もっと歩きたい気もするけれど、もしここでぎっくり腰になって動けなくなったら非常に面倒なことになります。
ガラスの腰、無理は禁物。
名残惜しいですが、チューリッヒのホテルに帰ることにしました。
バスでサルガンス駅に戻ると、次の列車は約40分後。
暇つぶしに駅のホームでぶらぶらしていると、2人の紳士が何かを見上げているのが見えました。
「何を見ているんだろう?」
視線の先を追うと、美しい山がそびえ立っていました。
我が人生でこんなにも見事に漢字の「山」の形をした山を見たことがあっただろうか、いやない(反語)。
嗚呼、僥倖(ぎょうこう)の極み!
美しい山よ、そしてその山を仲良く眺める素敵な紳士よ!
リヒテンシュタインに来てよかった!
※サルガンス駅はスイスにあります。
午後2時頃、かんかん照りのチューリッヒの街を歩いてホテルに戻ると、気が緩んだせいか腰痛と頭痛に見舞われました。
1万歩以上歩いた疲労に加え、軽い熱中症になっていたのかもしれません。
水分補給してからベッドにごろんと横になり、しばらく休みました。
ギリセーフ!!……なのか?
旅行中は普段よりたくさん歩く人が多いかと思いますので、魔女の一撃(ぎっくり腰)にはどうかご注意くださいね。
それではごきげんよう、よい旅を!