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目次
ごきげんよう!
現実逃避大好きソロトリライター、ヤマダイクコです。
三十六計逃げるに如かず!
人生に煮詰まった時は、現実逃避&国外逃亡!
2015年、5月病をこじらせて6月病になっていた私は、すさんだ心を癒すためフィンランドに行くことにしました。
仕事と日本語と現実から逃避したい。
首都ヘルシンキで街歩きとムーミン・グッズ探しを楽しみ、サーモンスープやシナモンロールを味わい、キアズマ(ヘルシンキ現代美術館)でアートを鑑賞したい。
北極圏まで北上してオーロラが見たい。
などと母に旅の夢を語っていたら「北極圏は寒いからよしなさい」と却下されました。
たしかに寒いのは苦手です。
「それなら南下してエストニアに行く」と言ったら、母はあ然としていました。
フィンランドもエストニアもEU(欧州連合)加盟国。
どちらの通貨もユーロなので両替は不要。
ヘルシンキからエストニアの首都タリンまではフェリーで片道2時間程度、料金は往復で40ユーロ(5,600円相当)。
※当時の金額。通貨は1ユーロ=約140円とします。
東京駅から新大阪駅まで新幹線「のぞみ」号で片道2時間20分強。
タリン、日帰りで行ける。
※個人の感想です。
いざ、仕事と日本語と現実にグッバイ!
旅行中にいきいきと働く女性たちを見て「私も日本に帰ったらお仕事がんばろ!」とは思わなかった、2015年9月の日帰りエストニア旅行の話をお送りします。
朝5時起き
9月中旬、残暑厳しい日本から秋の雰囲気漂うヘルシンキへ。
日本の10~11月のような冷え込みで、日が短くなり、木々の黄葉(こうよう)が始まっていました。
行きは7:30発、帰りは16:30発のフェリーをインターネットで予約していたので、当日は午前5時起床。
まだ暗い。眠い。
スーパーで買っておいたシナモンロールとバナナで腹ごしらえ。
シナモンロール、美味なり!(覚醒)
6時半頃にホテルを出発、トラム(路面電車)に乗車。
日の出前の薄暗い街並み、ワイヤーで吊るした街路灯の明かりが、道なりに点々と続いていました。
過去の北欧旅行でも宙吊りになった街路灯を見ましたが、真夏の日の長い時期だったので点灯しているところは見たことがありませんでした。
初めて見る街路灯の白い光が心にしみました。
大型フェリー「スーパースター号」は、鮮やかな黄色とオレンジ色にペイントされた、9階建ての巨大な船でした。
予想を上回るでかさにたまげました。
「スーパースター」といえば、ミュージカルファンならA.L.ウェバー作曲のロック・オペラ「ジーザス・クライスト・スーパースター」を連想しますよね!
頭の中で楽曲が流れ始めたので、うっかり歌わないように気を引き締めました。
船内を探検、デッキに出たらベンチがありましたが、吹きさらしなので寒すぎる。
室内に逃げ帰り、なるべく静かな、なるべく景色がよく見える、できれば売店が見える場所を探して、窓辺のテーブルに落ち着きました。
※売店に来る乗客が買い物をする様子を眺めたい。

運命の出会い(?)
予定通り9時半頃にタリンに到着。
入国の手続きはなくあっさり下船できましたが、現在地が把握できず軽く途方に暮れました。
どんよりとした灰色の曇り空ですが、マフラーが必要なヘルシンキより温かいような気がします。
遠くに見える歴史がありそうな塔を目指せば旧市街地(世界遺産)に行けるはず。
※「タリン歴史地区(旧市街地)」は1997年に世界遺産(世界文化遺産)に登録されました。
小雨がぱらつく中、意を決して港を出発。
時々地図と景色を確認しながら、恐る恐る歩き続けると目の前に古い石造りの建物が現れました。
中世のハンザ都市の雰囲気が漂う石造りの建物、高い城壁。
細い路地、階段、様々な形の石が敷き詰められた石畳。
異国の風景と石の質感にテンション急上昇、あちこちで写真を撮りました。
人通りの少ない路地を進んでいくと、ミステリアスなオーラを放つ女性が立っていました。
等身大の人形でした。
目が釘付けになるものの、なんだか近寄りがたいので2~3m離れて観察することにしました。
嗚呼、美しく長き亜麻色の髪の乙女よ。
ふっくらとした面立ち、雪のように白い肌。
ぽってりとした赤い唇、ターコイズブルーのつぶらな瞳。
念珠のごとき首飾り、左右に垂れる亜麻色の長い長い三つ編み。
若干不自然に盛り上がった豊満なバスト、若干不自然に引き締まったウエスト、ロングスカートの裾からちらりとのぞく革のブーツ。
嗚呼、美しく長き亜麻色の髪の乙女よ、何に思いを馳せているのか。
そもそも私は人形が苦手なのに、なぜこんなに心惹かれるのか。
困惑しつつ、名残を惜しみつつ、こっそり1枚だけ写真を撮りました。
最高に楽しいランチ
世界遺産などの観光地巡りも楽しいですが、観光地ではない場所を見るのも面白い。
その土地で生活する人々、建物、道路、庭、植物、動物……興味は尽きません。
「この先に何があるのだろう?」とワクワクが止まらない。
好奇心が刺激され、ついつい歩きすぎてしまいます。

坂道と石畳で足腰にダメージ蓄積。
椅子とランチを求めてショッピングセンターに入りました。
広大なフロアが憎い。
気力を振り絞り、重くなった足を動かしていたらカフェテリアにたどり着きました。
13時半頃、店内はランチの混雑が一段落した様子。
おいしそうな料理が並ぶテーブルを前に、唾液腺がキューキュー刺激されました。
胃袋にもお金にもリミットがあるのが口惜しい。
楽しく悩んだ後で、スープとパン(薄切りの黒パン、白パン)、サラダ(トマト、カリフラワーなど)を皿に盛りました。
ランチ代、締めて5.31ユーロ(約743円相当)也!
あれ?安い?
歩き疲れ、冷えた体にしみわたる温かいロシア風トマトスープと黒パンのマリアージュ。
いつもなら料理を凝視しつつ食べるところですが、この日はラブリーなおばちゃん店員に目を奪われました。

制服がかわいい!
黒いベストに、しっかりと厚みがある布地の赤いチェックのスカート。
白いブラウスのふくらんだ袖とふりふりがかわいい、エプロンのふりふりがかわいい、スカートの裾にぐるりとあしらわれた白いレースの控えめなふりふりがかわいい。
黒・白・赤(モノトーン+赤)の配色が最高。
ここはテーマパークか、パラダイスか。
大らかな声かけや接客、スタッフ同士のコミュニケーションがとても自然で、みんなのびのびと働いています。
いきいきと働く人々を見ていたら、なんだか清々しい気分になりました。
家庭的な温かい雰囲気に癒される、最高のランチでした。
タリンに来て良かった!!
さらば、タリンよ!
歩きくたびれたので、時間に余裕をもってフェリーターミナルに向かうことに。
ゆっくり歩きながら景色を楽しんでいると、ガラスで覆われた現代的なビルや、ソビエト時代っぽい建物など、色んな時代の建物が並んでいることに気づきました。
国立図書館で買った絵はがきをオレンジ色の郵便ポストに投函。
エストニアの私から、帰国して日常に戻った私に送るプレゼントです。
※1週間後に自宅に届きました。
フェリーターミナルでは、キャリーカートにお酒(缶ビールなど?)のダンボールを5~6箱積んで運んでいる人をよく見ました。
フィンランドよりもエストニアの方が物価が安いため、エストニアの免税店などでお酒を大量に買う人がいるそうです。
ヘルシンキ行きのフェリーに乗船。
窓辺のテーブルでぼんやりしていたら、女性スタッフがテーブルや椅子を手際よく片付けているのが見えました。
黒いベストとひざ丈のタイトスカート、白いブラウス、きちんとした身だしなみの清潔感があるスタイル。
キリッとした表情がクール!
売店のスタッフも同じ制服を着用、ひとつ結びにした髪は鮮やかなスカーレットに染められていました。
ワンダフル髪色自由!
黒・白・赤(モノトーン+赤)の配色はやっぱり最高!
それではごきげんよう、よい旅を!