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ごきげんよう!
歩くの大好きソロトリメンバー、ヤマダイクコです。
混雑が苦手なので、今年のゴールデンウィークは自宅でのんびり過ごすことにしました。
しかし、友人のおでかけ報告やSNSの旅の写真を見ていたら、「私も旅したい!」という衝動が湧き上がってきました。
混雑していない場所に行けばいい。
オフィス街なんてどうだろう?
そうだ、浜松町に行こう!
夜中のテンションでホテルを予約し、翌日には旅立った2025年GWの俄旅(にわかたび)をお送りします。
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目次
道祖神(どうそじん)が招くよ
行くと決めたら天気のよいうちに、せっかくだからホテルで1泊、などと急ごしらえの旅支度。
大きな公園をいくつか見たい、学生時代に通った四季劇場にも寄りたい、などとポイントを決めてあとは現地で臨機応変に。
押入から取り出したデジタル一眼カメラを充電し、取扱説明書を見て撮影方法や設定を確認。
「旅したい!」というスイッチが入るとソワソワして、あるいはワクワクして落ち着かない気分になり、家でじっとしてなんかいられません。
松尾芭蕉の「奥の細道」の序文に「道祖神の招きにあひて、取るものも手につかず。」(※)という言葉があるので、昔も今も旅好きの心理には共通するものがあるのでしょう。
※(旅人の安全を守るという)道祖神が招いているような気がして、取るものも手につかない。(意訳)
浜松町散歩2025GW
風薫る五月、背にはスカスカのリュックサック(着替え・買い物用)、腹にはカメラバッグ、「みどりの日」をイメージした青緑のネイルという装いで赤羽橋駅を颯爽とスタート。
※この日は「こどもの日」でした。
人間が歩道からはみ出すくらいの混雑にぎょっとしました。
すぐ近くに芝公園、増上寺(徳川家の菩提寺)をはじめとする歴史ある寺社、見上げれば東京タワー。
いかにも「日本」、かつフォトジェニックな観光地!
さらには、モノレールで羽田空港に行けるアクセスの良さ。
外国人観光客が多いのにも納得。
同時に、昨晩ホテルの予約に夢中になっていたら「混雑していない場所」を旅するという当初の目的をすっかり忘れていたことにも気づきました。
多種多様な外国語が聞こえるので、だんだん外国にいるような気分に。
東京タワーを見ながら、人波のスピードに合わせてのんびり歩いていましたが、ずっと続く上り坂に心が折れてショートカット、大門駅を目指しました。
歩くのは好きだが、気力・体力はない。

竹芝エリアへ
千年の歴史があるという芝大神宮の立派な階段を上ったり下りたりするなど、寄り道をしながら浜松町駅へ。
学生時代に四季劇場[春][秋]のこけら落とし公演に行ったこと、一張羅のワンピースで出かけたこと、開演時間に間に合うように早足で劇場に向かったことなどが懐かしく思い出されました。
しかし劇場に着くと、昔とは違う建物になっていました。
以前の劇場は竹芝地区の再開発のため2017年に一時閉館、2020年にJR東日本四季劇場[秋]、2021年に[春]の新劇場がオープンしたそうです。
きっと玉手箱を開けた後の浦島太郎はこんな気持ち。
シアター棟入口の案内の前でしばし茫然としました。
竹芝客船ターミナル
四季劇場での衝撃を引きずりつつ竹芝客船ターミナルへ。
中央広場の帆船のマストを模したモニュメントなどを眺めてから、2階に上がってみました。
ふと足元を見ると、ところどころに大きな白いタイルがあり、漢字が1つずつ刻まれています。
舟、船、舵、舶……みんな舟偏(ふねへん)の漢字。
「艦」はあるかな?などと漢字を探してから、ベンチでしばらく足を休ませました。
それから、水辺の景色を眺めにボードウォークへ。
遠くに並ぶたくさんの高層ビル、行き交う船、右にはレインボーブリッジやお台場、左には築地大橋、そして東京スカイツリーという、水辺のパノラマが広がります。
開放感を味わいながら、ぐっと背伸びしました。
伊豆・小笠原諸島への定期船が発着している竹芝客船ターミナル。
1階にはアンテナショップ「東京愛らんど」があり、島々の伝統的な食品、工芸品、特産品などを販売しているそうです。
早く旧芝離宮恩賜庭園に行きたいと思って、スルーしてしまったことが悔やまれます。

旧芝離宮恩賜庭園
Uターンして浜松町駅方面へ。
浜松町駅のすぐ近くに旧芝離宮恩賜庭園(国指定名勝)があります。
江戸時代初期に作庭された回遊式泉水庭園の大名庭園。
大名にとって庭園はステータスシンボルであり、くつろぎの場、社交の場、鍛錬の場(弓場など)だったそうです。
※回遊式泉水庭園:庭園の中心に池を配置し、その周囲を歩いて楽しむ日本庭園の様式。
よく手入れされた、美しい日本庭園。
あちこちに観光客がいましたが、広々として落ち着いた雰囲気です。
せっかくの大名庭園、大名気分で散策してみよう!
ところが、想像力をフルに働かせてもせいぜい武家奉公人や庭師見習いでなかなか大名気分になれません。
「お殿様のお庭を見せていただけるなんてありがてェ、ありがてェ」
最終的に、お庭を見ることを許可された町人に落ち着きました。
池にかかる石の橋もよし、木の橋もよし、池に生息する亀たちもよし。
日本庭園の向こうにそびえる高層ビル群もよし。
日本庭園の背景に高層ビル群があるのは景観的によろしくないと考える人もいるかもしれませんが、なんだか異世界に入り込んだような感じがして私は好きです。
未来の世界っぽいというか、大きな宇宙船の中にある緑の空間のような、なんだかSFの世界にいるような気分。
遠くにある高層ビルがバーチャルのような、逆に日本庭園がバーチャルのような(どちらも本物なのですが)、時代の感覚が溶けるような不思議な心地がしました。

芝公園
再び外国人観光客の人並にもまれつつ増上寺に向かって戻り、芝公園駅の近くのホテルにチェックイン。
部屋で一休みして、もう一度芝公園へ向かいました。
芝公園には、都立芝公園、港区立芝公園、プリンス芝公園(ザ・プリンス パークタワー東京の庭園)のエリアがあります。
都立芝公園には都内最大の古墳「芝丸山古墳」や、伊能忠敬(いのうただたか)の功績を顕彰した記念碑「伊能忠敬測地遺功表」があるとのこと。
伊能忠敬は、江戸時代に全国を歩いて測量して、詳細な日本地図を作成した地理学者・測量家。
隠居してから本格的に暦学を学び、地球の大きさを知るために測量を開始したのだとか。
メンタルつよつよ、志(こころざし)つよつよ、年齢など気にせず果敢にチャレンジする生き様に憧れます。
伊能忠敬ファンとしてはぜひとも訪問してみたい!
しかし公園の入口には「倒木、石垣崩壊の恐れあり」という内容の貼り紙があり、立入禁止になっていました。
安全第一!
気を取り直して港区立芝公園に行き、プリンス芝公園に向かって歩きました。
たくさんの人がシートを敷いて、ピクニックをしていました。
都会の人たちは都会の公園でピクニックをするのか、というカルチャーショック。
家族や友人と気軽に楽しめるレジャーなのですね。
天候もよく、絶好のピクニック日和、緑の芝生の上で思い思いに休日を楽しむ人々。
新印象派の画家、ジョルジュ・スーラの点描画「グランド・ジャット島の日曜日の午後」を彷彿とさせる光景でした。
その後もぶらぶらと散策を続け、商店街のスーパーで大学生グループのはしゃぐ声(おそらく飲み会の買い出し)をBGMに夕食を調達。
久しぶりにたっぷり歩き回った達成感と、あちこちで見た休日を楽しむ人々の姿を胸に、なんとなく浮かれた気分でホテルに戻りました。
それではごきげんよう、よい旅を!
ソロトリは、東京都港区の「MINATOシティプロモーションクルー認定事業」の認定を受け、ひとり旅(おでかけ)でも楽しめる港区の魅力を発信しております。
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