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ごきげんよう!
ミュシャの絵大好きソロトリメンバー、ヤマダイクコです。
アルフォンス・ミュシャ(ムハ)(1860-1939)はチェコを代表する画家、グラフィックデザイナー。
19世紀末から20世紀初頭に流行した芸術運動「アール・ヌーヴォー」の中心人物として活躍しました。
チェコ共和国の首都プラハで街歩きを楽しみながら、ちょいちょいっとミュシャの作品を見に行った2016年7月の一人旅をお送りします。
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目次
よし、カレル橋を見にちょっとプラハまで行ってみるか?
カレル橋が見たいという思いつきから始まり、乗り継ぎのシャルル・ド・ゴール空港での奇跡の出会い(※)を経てプラハに到着。
※詳細は「一期一会!初対面3人で夜明け前の女子会 inシャルル・ド・ゴール空港」をご参照ください。
プラハ中央駅の近くのホテルにチェックイン、一休みしてから早速カレル橋を見に行きました。
カレル橋はヴルタヴァ(モルダウ)川に架かるプラハ最古の石橋。
全長なんと約520m、幅約10m、欄干には30体もの聖人の彫像が並びます。
滔々(とうとう)と流れるヴルタヴァに堂々たるカレル橋、丘の上にはプラハ城、本日は晴天なり……これよこれ、最高の眺め!
チェコを代表する作曲家ベドルジハ・スメタナの連作交響詩「我が祖国」の第2曲「ヴルタヴァ」(モルダウ)は、チェコの風景や庶民のくらしを描いた曲。
合唱曲「モルダウ」でもおなじみですが、チェコでは第2の国歌として愛されているそうです。
さて、カレル橋を渡ろうとしたら観光客や大道芸人などでごった返していました。
えっ、世界中からカレル橋が好きな人が集まってきたの?
※個人の感想です。
写真を撮りながらゆっくり橋を味わうことはできそうにないので、人にぶつからないように注意を払いつつ渡りました。
カレル橋……もう一度来るからね!
※その日(7月5日)は祝日「聖キュリロスと聖メトディオスの日(キリルとメトディウスの日)」だったので観光客が多かったのかもしれません。
夏の日差しは強く、2~3時間の散歩でこんがり焼けました。
ホテルに戻り、エスプレッソマシンと格闘したり、駅のキオスクで買った激甘マフィンを食べたりしながらのんびりしていると突然の雷雨!
旅先では臨機応変に。
雨の間は散策中止、お昼寝に予定変更!
明日の朝、早めの時間ならカレル橋も空いているかも、と期待しつつごろ寝しました。
※ちなみに、翌日の7月6日も祝日「ヤン・フス焚刑記念日(ヤン・フスの日)」でした。
「プラハ」全市が世界遺産
あらゆる時代の建築様式が見られるプラハの街並みは「建物の博物館」と呼ばれているそうです。
拮抗(きっこう)する二つの欲望、「美しい建物の1つ1つを写真に収めたい」VS「早く先の景色を見たい」!
熟慮の末、進む方を優先することにしました。
カメラにではなく、自分自身の目に焼き付けよう。
散策中、美しい街並みに何度も何度も溜息をつきました。
しかし今(2025年)、写真フォルダーを見ると他の旅行よりも極端に枚数が少ない。
2回目に渡った時のカレル橋(前日よりも混雑していなかった)の写真もない。
当時の私に言いたい。
「ガンガン撮れ!10歩に1枚撮れ!」
旅先の写真は自分へのお土産なのだと痛感しております。
プラハ城への道
プラハ城は丘の上にあり、広い敷地には様々な時代・建築様式の宮殿や宗教建築物、庭園などが集まっています。
ミュシャがデザインしたステンドグラスがある聖ヴィート大聖堂をメインに、余力があれば足を延ばしてストラホフ修道院の図書館を見に行くことにしました。
ヴルタヴァの川沿いを歩いてから、プラハ城を目指して緩やかな坂道を登っていると階段がありました。
テントウムシの高いところを目指す性質(負の重力走性)と同じように、散策中に階段を見るとのぼりたくなります。
高低差を体感したい。
たとえ階段の途中で足ががくがくして「のぼらなきゃよかった!」と後悔することになっても!
この時も、途中で冷静になり「意外と段数が多い」と後悔したものの引くに引けない。
やっと終わりが見えてきた頃に、上の方から日本語が聞こえてました。
「うわ~、のぼってる人がいるよ」
コラ!聞こえてますよ!
内心イラっとしましたが、聞こえなかったふりをしてのぼり終えました。
すると、美しい眺望が目に飛び込んできました。
見渡す限り続くオレンジ色の屋根、ところどころにある緑の木々、いくつもの塔。
西洋画で見たことがあるような、青い空にふんわり白い雲。
いかにもヨーロッパな風景!
たくさんの階段をのぼった達成感で、美しさ倍増!
息を整えながら、心ゆくまで絶景を味わいました。
※旧市街地、プラハ城などは徒歩で回れますが、坂道も石畳もあります。
プラハ市電(路面電車)、バス、地下鉄などの交通機関を適宜ご利用ください。
聖ヴィート大聖堂のステンドグラス
プラハ城の入場料はコース(入場できる施設)によって違うので、「聖ヴィート大聖堂」が入っているコースのチケットを購入。
ミュシャのステンドグラスを見るぞ!
みんな大好きアルフォンス・ミュシャ!
※個人の感想です。
たおやかな女性たち、可憐な花々、細部までデザインされたエレガンス。
繊細な線画に豊かな色彩と曲線的な装飾を加えた、華やかなイラストレーション。
ミュシャの作品は、日本のイラストやマンガにも影響を与えています。
実は宗教施設に入るのは苦手なのですが、ミュシャのためならがんばれる!……はず!
恐る恐る大聖堂に入ると、非常に高い天井の窓から光が差し込み、たくさんのステンドグラスが色とりどりに輝く、神秘的な空間が広がっていました。
通路は観光客がひしめき合っており、様々な言語のガイドの声が聞こえてきます。
なるべく人の少ない場所を探して、目の前にあったステンドグラスを眺めました。
ふいに、雲間から陽光が差し込みました。
ステンドグラスがふわっと明るくなり、カラフルに輝く光を一身に浴びました。
心をわしづかみにされ、息をするのも忘れました。
私は決して信心深い方ではないのですが、この瞬間は「神様がお通りになったのかも」と思いました。
一呼吸おいて「すごいものを見てしまった」と胸がドキドキしました。
見学を終え、ふらふらと大聖堂を出てしばらく経ってから気づきました。
……あれ?
ミュシャのステンドグラス、ちゃんと見てないのでは?
混雑に負けて素通りしたのでは?
「せっかくプラハまでに来たのに」としょんぼりしたので、自分自身を鼓舞することにしました。
みんな違うステンドグラスで、みんな素敵で美しかったし、聖ヴィート大聖堂を見学できてよかったね!よかったよかった!
※プラハには他にも「ミュシャ美術館」や、ミュシャが内装を手がけた「市長の間」がある「プラハ市民会館」などがあります。
チェコの国花
ある公園を歩いていたら、大きな木からくるくるくるくる……と実が落ちていました。
「ドラえもん」のタケコプターのような形で、実に見事に回ります。
何の木かわからなかったので写真を撮り、ノートに葉の形などをスケッチをしていたら、近くにいた人も寄ってきて写真を撮っていました。
帰国後に調べてみたら、どうやら「セイヨウシナノキ」のようです。
チェコの国花で、別名「リンデンバウム」「セイヨウボダイジュ(西洋菩提樹)」など。
公園や街路樹など街のあちこちで見かけたので、プラハ市民にとって親しみ深い木なのでしょう。
ストリートピアノin公園
別の公園を歩いていたら、芝生の上にピアノがありました。
広々とした場所で思う存分ピアノが弾けたら楽しそう。
公園にピアノを置くという発想がなかったのでびっくりしました。
人通りが少ないとはいえ人前でピアノを弾く勇気はなく、ぼんやり眺めていたら貼り紙を見つけました。
どうやらチェコ語と英語で書かれた「(酒を)飲んだら弾くな」という注意事項のようです。
こんな注意書きがあるということは、お酒に酔って騒音をまき散らした人がいたのかもしれません。
たしかにピアノが「デンジャラス・ウェポン(危険な武器)」になる可能性もあるなと妙に納得しました。
さて、プラハでの滞在はたったの72時間程度でしたが、美しいものを浴びるように見てリフレッシュ!
帰国後、インターネットで聖ヴィート大聖堂のミュシャのステンドグラスの画像を確認しました。
これ、プラハで見た……かな?
たぶん見た!
それではごきげんよう、よい旅を!


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