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目次
ごきげんよう!
橋大好きソロトリライター、ヤマダイクコです。
好きな橋は日本橋です!
※東京都中央区、1911(明治44)年竣工、国の重要文化財
青銅製の麒麟や獅子などの彫刻で飾られた花崗岩の石橋の堂々たる風格と、首都高速都心環状線の高架の立体交差がフォトジェニック。
かつては江戸幕府直轄の五街道の起点、現在は国道の起点、橋の車道の中央に「日本国道路元標」があります。
歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」のスタートも日本橋。
江戸時代は木造の太鼓橋で、大火で焼失するたびに架け替えられました。
江戸東京博物館で復元された日本橋(実物大、部分)を渡ったことがありますが、あまりにも美しく立派な木橋なので、欄干(らんかん、手すり)をなで続けたい欲望にかられました。
※江戸東京博物館は大規模改修工事のため2025年度まで休館(予定)。
日本橋のたもとにある観光案内所では、日本橋にちなんだグッズも販売。
というわけで、今回は日本橋……ではなく、隅田川の橋を6本ハシゴした日帰り一人旅の話です。
日本橋観光案内所
https://nihonbashi-info.tokyo/
事前学習
2024年3月上旬、橋めぐりの1週間前から本格的な情報収集と準備を始めました。
私の場合、一人旅の主な目的は街歩き、風景写真の撮影、ウィンドーショッピング。
現地での主な移動手段は徒歩。
だが、体力はない。
1歩でも運動量を節約し、1つでも多くの建造物を見るためには下調べが欠かせません。
頭と心のキャパオーバー予防でもあります。
旅気分醸成とコスパ向上のためには、小・中学校の修学旅行レベルの本気の事前学習が望ましい。
※個人の感想です。
今回は日帰りなので軽めに、Web地図を印刷したものに情報を書き込みました。
※私的利用の範囲内です。
震災復興橋梁(しんさいふっこうきょうりょう)
1923(大正12)年9月1日、関東大震災発生。
倒壊した木造家屋から発生した大火災は、甚大な被害をもたらしました。
交通インフラの要である橋も多くが焼失。
1931(昭和6)年までの短期間に、数多くの「震災復興橋梁」が当時の最新技術を用いて設計・架設されました。
そして、竣工(完成)から100年を迎えようとしています。
隅田川では上流から、白髭橋、言問橋、吾妻橋、駒形橋、厩橋、蔵前橋、両国橋が東京都選定歴史的建造物。
加えて、清洲橋、永代橋は国の重要文化財に指定されています。
※震災復興橋梁ではありませんが、勝鬨橋(1940年竣工)も国の重要文化財です。
現在は、隅田川の両岸に「隅田川テラス」という遊歩道が整備されているので、歩いて橋をハシゴするには好都合!
下流から北上し、蔵前橋、厩橋、駒形橋、吾妻橋、言問橋の5本、ついでにすみだリバーウォーク、あわよくばX型の桜橋(歩行者専用橋)も見たい。
我ながら、なんというよくばりプラン!
川沿いを歩く
両国駅から歩いて蔵前橋へ。
橋を渡るときに、はるか下に川面が見えてぞっとしました。
うっかり忘れていましたが、私は高いところが苦手です。
なるほど、橋はスリルも味わえる。
密かに考えていた、全ての橋を渡り台東区と墨田区を往復する案は却下。
体力温存!今回は橋の本数を優先することに決めました。
何はともあれ、橋や橋からの景色を見るのは楽しい。
天井がない広々とした空間で、川沿いの街並みを見通すことができます。
よく晴れた春の日、しかし風は冷たい。
橋や川辺の遊歩道では、日射・風雨を遮るものがほとんどないので、暑さ寒さの厳しい季節は覚悟が必要です。
※大雨・台風のときは、非常に危険なので川に近づかないでください。
基本的に入場(通行)料もなければ、入場(通行、鑑賞)時間の制限もない、自由で気楽な橋見学。
遠くから見るもよし、近づいて細部を見るもよし、触れるもよし、渡るもよし、撮るもよし。
天気、明るさ、川面の反射、夜景やライトアップ、夕焼けや朝焼け等々、周囲が変化すると橋の雰囲気も変わって見えます。
※撮影する際、通行人等の邪魔にならないよう気をつけましょう。
ご当地デザイン
地元の名所や名産などをデザインした「ゆるキャラ」「ご当地マンホール」「ご当地ナンバープレート」などがありますが、なんと隅田川の橋にもご当地デザインが!
例:
蔵前橋→昔から相撲が盛んな地域→力士
厩橋→江戸時代に幕府の馬小屋があった→馬
吾妻橋→近くに浅草寺の雷門がある→雷紋・巴紋
ソー・イージー!
バット、シンプル・イズ・ベスト!
さりげなくあしらわれた、その地域ならではのアート。
由来に気づくとほっこりします。
一度にたくさんの橋を架けることになったので、都市景観上バラエティーが必要(コピペの橋だと安っぽく見える)、多様な設計と架設により技術の進歩を図る、といった観点もあり、全部違う形の橋を作ったそうです。
デザインの違いが、地域の人たちに「自分たちの橋」、地域の「みんなの橋」という親近感をもたらしているような気がします。
当時の被災者の暮らしを想像するのは難しいですが、新しい橋の完成という明るいニュースを喜んだり、見に行ったり、渡ってみたりした人もいたかもしれません。
巨大で頑丈で美しいものは、見ていると心強く感じるし、勇気が湧いてくる。※個人の感想です。
コレクションしたい
まっすぐ歩いているだけで、次から次に橋が現れます。
隅田川はまるでランウェイ、カラフルな橋たちの華やかなファッションショー、つまり「ハシコレ」!
歩くのに慣れて頭に余裕ができたので、橋をコレクションする方法を考えました。
いつもは記憶や記録、写真データの蓄積でコレクション気分を味わっているのかもしれません。
引き続き、橋のグッズ展開の可能性を探りました。
擬人化ではなく、リアルのデザインをいかしたものが欲しい。
プラモデルよりも気軽に飾れるもの(例:アクリルスタンド、カプセルトイ、ポストカード)。
長さをいかしたもの(例:手ぬぐい、マスキングテープ、箸、箸置き、ボールペン、色鉛筆セット、ガーランドなどの壁飾り)。
橋と同じ素材で作ったもの(例:ミニチュア、キーホルダー)。
アクセサリー(例:ネックレス、ブレスレット、指輪)。
アニメの設定資料集、背景美術集レベルの解説書(ビジュアル充実、ページ数多めで)。
衣服、バッグ、概念アクセサリー、などなど。
夢、膨らみますね!
ちなみに、現在に近い配色に決まりまったのが1984(昭和59)年。
東京オリンピック・パラリンピック(2020年開催予定)の前に、配色は踏襲しつつも、周辺の景観になじむよう彩度をおさえた色彩に塗装。
彩度はおさえなくてもよい。※個人の感想です。
ご当地ヒーローの可能性
これだけカラフルで個性的な橋がたくさんあるのだから、戦隊ヒーローもいけるよね!
次はご当地ヒーロー妄想が始まりました。
アヅマ・レッドは一流の浅草芸人を目指して修行中。
生活費を稼ぐため、平時は人力車や人形焼の店頭販売などのアルバイトに精を出している。
いつか浅草演芸ホールで錦を飾るのが夢。
オープニング曲は「花」(滝廉太郎 作曲、武島羽衣 作詞)、メタルアレンジで盛り上がれ!
負けるな!たとえ舞台でスベっても!
隅田川流域、結構広いぞ!
橋は名脇役
橋を愛でつつ川沿いを約2km、ぶらぶら歩いて4か月分相当のアウトドアを満喫。
もっと歩きたい、しかし足の疲れは看過できない。
家に帰るまでが旅行。
足がつったら困るので、今回の橋めぐりは言問橋でおしまい!
次の橋が見たくてずんずん歩いてしまったが、次回はじっくり観察して、細部を写真に撮りたい。
近くに宿泊したら橋のライトアップや夜景が楽しめそう。
ああ、橋と話してみたい!
戦前の話を聞かせておくれ。
新たなアイデアがお土産になりました。
震災復興橋梁は、関東大震災からの復興、戦争、高度経済成長、現在まで変化し続ける東京を静かに支えてきました。
橋は街の脇役的存在かもしれませんが、きっと個性派の名脇役。
というか、アラハンで現存かつ現役?!
しれっと架かっているけど、これって奇跡じゃない?!
東京大空襲もあったし、毎日大型車が通るだろうし、毎年台風も通るのに、しかも常に吹きさらしで!
まさかの激情(橋への憐憫の情&尊敬の念)、そして「橋に?」という動揺。
大ベテランならなおさら、破損や落橋を予防するためのメンテナンスが欠かせないはず。
定期的な点検、劣化・損傷の補修、補強等、適切な維持管理により健全な状態を保つことで長寿命化を図る。
私と同じだ。
それではごきげんよう、よい旅を!
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